【ヴェノム2】ネタバレ感想・解説・考察_カーネイジとの最終決戦やポストクレジットシーンについて解説

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ヴェノム2のアイキャッチ レビュー

こんにちは、シネマトレンドです!
今回は【ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ】のネタバレ感想・解説をお届けします。

ヴェノム2_作品情報・キャスト

地球外生命体シンビオートがジャーナリストのエディに寄生し誕生したヴェノム。マーベルコミックスではスパイダーマンの宿敵として描かれ、最も残虐な悪として位置づけられている。
前作から3年、続編となる本作で、凶悪ヴィラン=カーネイジが登場。
マーベルコミックではスパイダーマンとヴェノムが共闘して戦いを挑むレベルの強さを誇り、その残虐性も、幼少期に祖母と母親を殺した連続殺人鬼くレタスの狂気を取り込み、計り知れない。
副題の”レット・ゼア・ビー・カーネイジ”が意味する「大殺戮よ、起これ」の言葉通り、世界を混乱に陥れ、その凶器はヴェノムに襲い掛かる。

ネタバレ感想

ヴェノムとエディ

前作を観た時に、ヴェノムのビジュアルやファイトシーン、エディとのやり取りなど、好きになった点もありましたがストーリー面では微妙というか、中身が無いとは思っていました。
本作を観る前は、前作からどれくらいストーリー面が改善されているのだろうとドキドキしていましたが、結果的には変化していませんでした。
むしろ、よりストーリーが雑に、中身が無くなっていたと感じました。

前作はルーベン・フライシャーが監督しましたが、本作では俳優や監督として活躍しているアンディ・サーキスに変更されました。
監督が変わったことで、より中身のある作品になるのかなと思っていたのですが、逆でした。
しかし、ストーリーが無いからダメだというわけでもないと思うのがこの作品です。

というのも本作は、前作で得たヴェノムという作品に対する観客の気に入った要素で固められた作品だと感じたからです。
どういう意味かというと、多くのヴェノムファンが映画に求めるのは、ヴェノムとエディのカップルのようなペットのようなやり取り、ヴェノムと敵の迫力のある戦闘シーンなどだと思います。
それらを詰め込んだ作品が本作だということです。
このファンが好きな要素を詰め込んだ結果、ストーリーが雑になったのでしょう。

前作のラストでミステリアスなサイコパス感を醸し出していたクレタス・キャサディ(ウディ・ハレルソン)や、シンビオートの中でも特に残虐で人気のカーネイジが登場するなど、物語に厚みを持たせる要素が用意されていたのにも関わらず、それらを上手く活かせていなかったからです。
キャサディは、冒頭でこそシュリーク(ナオミ・ハリス)との愛が少しだけ描かれていましたが、キャサディが脱獄した後の2人の関係性は、ただのイカれたカップルに成り果てていました。
シュリークに至っては、キャサディの生きる糧と、パトリック・マリガン刑事(スティーブン・グレアム)を今後のために目立たせる役割になっており、シュリーク自身に明確な意思が無いように感じました。
マリガンへの復讐心という目的はあるのですが、ヴェノムとカーネイジというメインのキャラクターに埋もれてしまっていました。
キャサディとシュリークが出会った聖エステス矯正施設という、2人が出会った場所であり、そこでの思い出を振り返ることで2人を深掘りするには丁度良い場所があるのにも関わらず、ただ焼いただけで終わりです。
97分という短い時間の中で初登場の2人のヴィランに時間を割くという危ない橋を渡るよりも、前作のファンが気に入ったヴェノムとエディのやり取りに時間を割く方が安全だと考えたのでしょうか。
前述の通り、それは良いと思います。
前作で人気の要素を次作でも活かすのは、多くの映画でも同じことをしています。
他の映画は周りのキャラクターを描く時間がありますが、本作は他の映画よりも尺が短いため、エディとヴェノム以外のキャラクターが雑になってしまっていました。

しかし、ここまで書いたエディとヴェノムのやり取りですが、そのカップルのようなペットのようなやり取りは楽しかったですが、通して観るとその内容は20分ドラマでも5分で終わるような痴話げんかでした。
これまで何度も書いている通り、これは前作でファンから評価の高かった要素であり、本作でも楽しめる要素のため100%悪い点ではありません。
ただ、この痴話げんかをもう少しコンパクトのして他のキャラクターに深みを持たせてあげても良かったなとは思います。
そうすればキャサディとシュリーク、アンとエディとダンの関係性にもより深みを持たせることができたかもしれません。

ここまで微妙だった点を書きましたが、良い点もありました。
まずキャラクタービジュアルです。
本作では新キャラクターとして主にシュリークとクレタス・キャサディ、カーネイジが登場します。
髪を生やしたウディ・ハレルソンも良いですが、注目したいのがシュリークです。
原作では、シュリークの片目にダイヤモンド型のマークがあるのですが、映画ではマリガンが撃った際の傷跡として表現されていました。
これは上手くマリガンに繋げることができ、さらに原作のデザインを実写という現実の世界に適応させる良い方法だったと思います。
似たような事例で、デッドプール2に登場したザジー・ビーツ演じるドミノも原作では片目にマークがあるのですが、映画では形を上手く残しながら、体の一部が白くなる「白斑」として再現されていました。

カーネイジ

そして、カーネイジです。
本作のカーネイジは皮膚の下の筋肉が剥き出しているようなデザインでした。
これのおかげで、ヴェノムよりもエイリアン感が出ていると感じました。
本作の戦闘シーンでは、ヴェノムが人型を保った物理攻撃なのに対し、カーネイジは体を自在に伸び縮みさせたり、針を飛ばすなどヴェノムとは異なり、人とは別の動きをする生き物感がとても出ていました。
ヴェノムのハルクのような体と、カーネイジの筋肉剥き出しのエイリアンの様な見た目の違いとその特徴を活かした戦闘は観ていて楽しかったです!

ラストのマリガンの目から、恐らく3作目が作られる可能性は十分にあると思いますが、この2作を観た感じでは今後もストーリーより、シンビオートと宿主のやり取りや、テンションの上がる戦闘シーンで8割くらい構成されていくのでしょう。
1作目が112分、2作目が97分とどちらも比較的短い尺でしたので、ストーリーや戦闘シーンなど多くの要素を充実させようとして逆に全てが中途半端な作品になっても残念なので、前作と今作に共通してるストーリーを後回しにした構成でも、単純な映画として楽しめると思います。
なぜなら、エディとヴェノムのやり取りや、戦闘シーンは十分に楽しめるものだからです。

そして以外にも嬉しかったのが、過去のスパイダーマンのオマージュです。
これまで【スパイダーマン】と名の付く代表的なシリーズが3つ登場しています。
サム・ライミ監督の【スパイダーマン】、マーク・ウェブ監督の【アメイジング・スパイダーマン】、そして現在進行形のジョン・ワッツ監督の【ホームシリーズ】です。

今回のヴェノムで観られたのは、前2作のスパイダーマンのオマージュです。
もしかしたら他にもあったかもしれませんが、私が気づいたものはその2作でした。
どちらも最終決戦の教会のシーンでした。
サム・ライミ【スパイダーマン】のオマージュだと思われるシーンは、そのまま鐘の使い方でした。
といっても、もともと音に弱いシンビオートに効果的にダメージを与えられる印象的なものとして意図せずに鐘が選ばれた可能性もありますが、シンビオートと鐘と聞いて思い出すのはやはり、サム・ライミ【スパイダーマン3】でしょう。
まさに、そこでもエディ・ブロックは登場し、ヴェノムは鐘の音に苦しんでいました。
このシーンのオマージュともとれる鐘を採用した教会での最終決戦は見ごたえのあるものでした。

そして2つ目のオマージュはマーク・ウェブ監督の【アメイジング・スパイダーマン2】のシーンです。
このオマージュは明らかにアメスパ2を意識していたものでした。
これも教会での最終決戦の場面なのですが、ヴェノムが元恋人のアンを攻撃を受けながらも優しく下におろすシーンがまさに、アメスパ2の時計塔でグウェンを助けようとするシーンに酷似しているのです。
スパイダーマンのレンズに彼女が映る構図から、彼女が映る構図まで明らかにアメスパ2を意識していました。

今回確認できたのは2つだけでしたが、このように過去作品を思わせる場面を出してくれるのは嬉しいですね。
特に、ヴェノムはストーリーよりも無心で楽しむ映画の部類にあると思うので、こういった遊び心のあるシーンが特に映えます。

 

ポストクレジットシーンの解説・考察

ニュースに映るスパイダーマン

本作では、驚きのポストクレジットシーンが用意されていました!
と言っても毎回ポストクレジットでは驚かされるんですけどね(笑)

エディとヴェノムがどこかの島にいます。
そして、ベッドに横になっていると、突然あたりが揺れ始めて急に夜から朝に変わります。
テレビでは、スパイダーマンの正体が明かされたニュースが流れており、ヴェノムはニュースに映るピーター・パーカーを舐めまわしながら「こいつだ」と言っていました。

なんとついにヴェノムとスパイダーマンの対面?です!
これまでヴェノムの世界にスパイダーマンは登場しておらず、いないのではと言われていきました。
そのため、原作ではヴェノムの胸にあるクモのマークが映画ではありません。
しかし、ポストクレジットシーンではニュース映像にスパイダーマンが映っています。
これは日本で1月に公開されるスパイダーマン3作目「ノー・ウェイ・ホーム」でドクター・ストレンジが使った魔術がヴェノムとエディをMCUの世界に呼び寄せてしまったのかもしれません。
MCUとは「マーベル・シネマティック・ユニバース」の略で、アイアンマンやキャプテン・アメリカ、スパイダーマンなど、マーベルスタジオが制作してきた映画のキャラクターがいる世界を指します。
ヴェノムはソニーが配給するマーベル映画の世界を指すSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)のキャラクターです。
「ノー・ウェイ・ホーム」では、ドクター・ストレンジの魔術により、過去作のスパイダーマンのヴィランが登場すると言われています。
つまり、MCUに存在するトム・ホランド版スパイダーマン以外にも、MCUに存在しないトビー・マグワイア版スパイダーマンや、アンドリュー・ガーフィールド版スパイダーマンのヴィランが登場するということです。
そうなると、SSUのヴェノムがMCUに登場するのも納得がいきます。
しかし、現時点で「ノー・ウェイ・ホーム」にヴェノムが登場するとは言われていません。
もしかすると、今後の作品でスパイダーマンとヴェノムに焦点を当てた作品が作られるのかもしれません!
そうなると、遂にヴェノムの胸にクモのマークが現れる日も近いかもしれません。

もう一つ、このポストクレジットシーンで気になる点があります。
何かというと、ニュースに映ったスパイダーマンを見たヴェノムが、「こいつだ。」と言っていた理由です。
英語では「That guy」と言っていました。
どちらも、スパイダーマンを指しているセリフであることは間違いありません。
しかし、何故ヴェノムはスパイダーマンを見て知っているかのようなセリフを発したのでしょうか。
そのヒントと思われる話が、ヴェノムとエディがMCUの世界に飛ばされる直前にあります。
MCUの世界に飛ばされる直前、ヴェノムはエディに「誰にでも過去はある」と言い、800億光年の知識の一部をエディに見せようとしていました。
1光年とは、光が1年間に進む距離を現しています。
これが800億となると、相当な距離をヴェノム達シンビオートは経験してきているということになります。
さらに「knowlegde across universes」と言っていました。
日本語に訳すと「宇宙全体の知識」となるのですが、注目したいのが宇宙を現すUniverseが複数形になっていることです。
これは、もしかするとMCUやSSUのような別々のユニバースを指しているのかもしれません。
そうなると、ヴェノムは別のユニバースの知識を持っていると考えられます。
ヴェノムが過去に登場した作品としてやはり、サム・ライミ版スパイダーマンの3作目が挙げられます。
ここでもエディ・ブロックにヴェノムが寄生しているのです。
見た目はコミックやヴェノムの単独映画で描かれる姿とは結構違いますが、紛れもなくヴェノムです。
もしかしたら、サム・ライミ版スパイダーマン3の記憶を持っているのかもしれません。
そうすると、ニュースに映ったスパイダーマンを敵と認識して「こいつだ」というセリフを発したと言えます。
そうなると、これまでの作品がさらに繋がってきますね!
これが本当だとしたら、2005年に公開された「ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]」のキャラクターが登場したり、ニコラス・ケイジのゴーストライダーや、エージェント・オブ・シールドのキャラクターが登場することもあるのでしょうか!
あのキャラクター同士の絡みなど、どんどん妄想が膨らみます(笑)
個人的には、ヨアン・グリフィズが好きなので、「ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]」のリード・リチャーズが登場してほしいです(笑)

 

さいごに

いかがだったでしょうか?
今回は【ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ】のネタバレ感想・解説・考察をお届けしました!
MCUとSSUが繋がったことにより、更に可能性が増してきたマーベルの今後が楽しみです。
もちろん、ヴェノム3やマリガンの今後についても楽しみです!

最後までお読みいただきありがとうございました!