こんにちは!
今回は、Disney+で配信開始されたピクサー長編映画【あの夏のルカ】のレビューをお届けします!
【あの夏のルカ】はイタリアを舞台に、海に住むシー・モンスターのルカとアルベルトが人間の住む陸を冒険する物語です!
制作は、【トイ・ストーリー】や【レミーのおいしいレストラン】、最近では【ソウルフル・ワールド】を制作したピクサー・アニメーション・スタジオです。
あらすじ
イタリアのその小さな港町の名はポルトロッソ
住民たちは<海の世界>に住むシー・モンスターを恐れ、一方シー・モンスターたちも、<人間の世界>を恐れていた。
それでもシー・モンスターの少年ルカは、人間の世界への好奇心を止めることができない。
ある夏の日、彼はついに海の掟を破り、親友と一緒にポルトロッソにやってくる。<ある秘密>と共に…
キャラクター(声優)
エンリコ・カサローザ監督
監督は、エンリコ・カサローザです。
【あの夏のルカ】の舞台と同じく、イタリア出身の監督です。
エンリコ監督は、短編作品【月と少年】で監督を務めたことがありますが、長編映画は【あの夏のルカ】が初めてです!
【月と少年】は第84回アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされました!
今回の、【あの夏のルカ】とキャラクターデザインが似ていたり、星に関する話が登場するなど、共通点が多くみられます。
ルカ・パグーロ(ジェイコブ・トランブレイ)
主人公のルカを演じたのは、カナダ出身のジェイコブ・トランブレイです。
ジェイコブは2015年の映画【ルーム】や2017年の映画【ワンダー 君は太陽】でメインキャストを務め、どちらも印象的な役柄でした。
これまで【スマーフ2】や、アニメ【ハーレークイン】で声優を務めています。
今後は、ディズニーアニメーション【リトル・マーメイド】の実写映画でフランダーの声優を務めることが発表されています。
アルベルト・スコルファノ(ジャック・ディラン・グレイザー)
シー・モンスターで、ルカの親友のアルベルトを演じたのは、アメリカ出身のジャック・ディラン・グレイザーです。
ジャックは、映画【IT】や【シャザム】で有名です。
【IT】では喘息持ちのエディ、【シャザム】では主人公のビリーの親友でヒーローオタクのフレディを演じました。
ジュリア・マルコヴァルド(エマ・バーマン)
ルカとアルベルトと友達になる人間の少女ジュリアを演じたのはエマ・バーマンです。
エマは【あの夏のルカ】が自身のキャリアで2作目の出演作品です。
感想_レビュー
メインキャラクターの少なさ
【あの夏のルカ】はシー・モンスターのルカとアルベルト、そして人間のジュリアがメインキャラクターです。
ヴィランとしてエルコレが登場しますが、メインの物語はルカ、アルベルト、そしてジュリアと共に進行していきます。
キャラクターを最小限に抑えることでお気に入りのキャラクターに感情移入することが出来ますが、
反対にキャラクターが少ないので、好きなキャラクターができない可能性もあります。
しかしそういった作品でも、SFやコメディ、ミステリーではキャラクターが好きではないが、作品自体が好きになる可能性があります。
それは、キャラクターの他に、アクションシーンやミステリー要素などのキャラクターと引き離して評価できる部分があるからです。
しかし、【あの夏のルカ】は3人のメインキャラクターを中心に描いた友情の物語でした。
そういった場合、キャラクターが物語の評価に大きく関係します。
その点でメインキャラクターの少ない【あの夏のルカ】は、観る人によって大きく評価が分かれると感じる作品でした。
説明の少なさ
上記の通り、【あの夏のルカ】は登場人物が少ないので、個々のキャラクターを好きになることが重要だと感じました。
しかし、説明が少ないように感じました。
シー・モンスターのアルベルトは父親と暮らしていましたが、ずっと父親は帰ってきていないと言っていました。
それがルカに対するアルベルトの態度から分かるのですが、アルベルトのことについてそれ以上語られることはありませんでした。
そして、シー・モンスターが陸に上がることで人間に変化できる理由については触れられることはありませんでした。
ディズニー映画【アナと雪の女王】ではエルサの能力について続編で説明されていたので、【あの夏のルカ】でも今後語られることがあるかもしれません。
しかし、作中では人間に変化することについて触れられることはありませんでした。
これまでのピクサー作品では、メインキャラクターがおもちゃや車でない場合は、不思議な現象について説明がされていたことが多いと思います。
【あの夏のルカ】は恐らく低年齢向けを重視したのだと思います。
なので、引っかかる部分の説明よりも物語の展開を優先させたのだと感じました。
都合の良い展開
主人公のルカが、両親によって深海へ連れていかれそうになり陸へ逃げることは動機として少し弱いと思いましたが上記の、展開を優先するという理由から考えると、妥当な動機だとも思います。
しかし、1つだけ気になりすぎる話があるのでそれだけ言わせてください!
物語の終盤、ルカとアルベルトがレースで優勝します。
そこでルカ達は自分の正体をさらしますが、あっさりと受け入れられます。
それは、町の人々がレース終盤のアルベルトとルカのやり取りを見たからだと考えられます。
そして、最終的に両親はルカを人間の学校に行かせることを許可します。
ちょっと待ってください!
小さな町でシー・モンスターが受け入れられたから汽車に乗って遠くの学校へ通わせることを許可するのは危なすぎませんか。
これまでのピクサー作品では物語全体の展開を考えて良い着地点を見つけていました。
例えば【モンスターズ・インク】では、笑いの方が悲鳴よりエネルギーがあると知り、これまで子供を怖がらせていたのを、笑わせることに変えます。
人間の子供のブーと出会い、人間が危険ではないと知りましたが、人間の前に堂々と出て笑わせるということはしません。
それは、人間とモンスターという立場を分かっているからです。
なので、これまで通り人間の大人には知られず、悲鳴を笑いに変えることが一番良い着地点だと言えます。
私は、【あの夏のルカ】での良い着地点は、舞台の街でシー・モンスターと人間が共存することだと思います。
アルベルトは街に残りましたが、ルカも残った方がより良いラストを迎えられたと思います。
【あの夏のルカ】では、遠くの学校に通わせることは、リスクが高すぎるように思えます。
これまで、人間と非人間を扱った映画が多くありますが、多くが違いによる迫害や差別でした。
その様な作品を観たことがある人はラストの展開に違和感を覚えるかもしれません。
しかし、上記の通り【あの夏のルカ】が低年齢向けを重視した作品であることを考えると、違和感よりも
自立をテーマにした作品であると言えるかもしれません。
子供は物語を純粋に受け取ると思うので、一貫した「自立」というテーマがある方が良いのかもしれません。
ジブリとの関係
【あの夏のルカ】のエンリコ・カサローザ監督はジブリの大ファンです。
そのため、本作ではジブリに関係する要素が登場しています。
ジブリ映画【紅の豚】の主人公はポルコ・ロッソと名乗っています。
実は、【あの夏のルカ】の主人公のルカは元々、ポルトロッソという名前になる予定でした。
最終的にルカになり、舞台の街の名前がポルトロッソになりました。
さいごに
ここまで、あまり良い感想を書きませんでしたが、家族向け映画としてはよくできていると思います。
良い意味で気軽に見れる作品です!
【あの夏のルカ】はDisney+で配信されています。
それでは、また別の記事でお会いしましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました!