映画【エターナルズ】ネタバレ感想_MCUの新チームは様々な能力を持つ種族を描く

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エターナルズのアイキャッチ レビュー

【エターナルズ】は2021年に公開されたMCUの25作目の作品です!
本作を手掛けたのは【ノマド・ランド】のクロエ・ジャオ監督です。
これまでのMCU作品のようなコメディ要素は少なめで全体的にシリアスな作風になっています。
これが本作を賛否両論にする理由で、この世界観にハマれるかどうかが分かれ目でした。
私は元々静かな作品が好きだということもあり、とても楽しめました!

【エターナルズ】概要

【原題】
Eternals
【日本公開】
2021年11月5日
【監督】
クロエ・ジャオ
【キャスト】
ジェンマ・チャン、リチャード・マッデン、アンジェリーナ・ジョリー、サルマ・ハエック、キット・ハリントン、クメイル・ナンジアニ、マ・ドンソク、バリー・コーガン、ローレン・リドルフ、リア・マクヒュー、ブライアン・タイラー・ヘンリー、ビル・スカルスガルド
地球に新たな脅威が迫るとき、7000年にわたり人智を超えた力で人類を密かに見守ってきた、10人の守護者がついに姿を現す。彼らの名は、エターナルズ──。だが、地球滅亡まで残された時間はたった7日。タイムリミットが迫る中、彼らは離れ離れになった仲間たちと再び結集し、人類を守ることができるのか…?そして、彼らを待ち受ける〈衝撃の事実〉とは…。アベンジャーズに次ぐ、新たなヒーローチームの戦いが始まる!

おすすめポイント

【エターナルズ】は迫力のある戦闘シーンやユーモア、それぞれ魅力のあるキャラクターなどMCU感が感じられる作品でした。
物語序盤からエターナルズの特異性と謎、そして迫力のある戦闘シーンがその後の展開を期待させます。
メンバーには、ボリウッド俳優のキンゴや怪力のギルガメッシュ、人を操ることできるドルイグなど個性のあるキャラクターが揃っています。
【エターナルズ】は、これまでのMCU作品と比べて神話的な演出が多く観られました。
MCUで神話と言えば【マイティ・ソー】シリーズが思い出されますが、実はエターナルズの各キャラクターも神話がモチーフになっています。

  • イカリス → イカロス
  • セルシ → キルケ
  • セナ → アテナ
  • ギルガメッシュ → ギルガメッシュ
  • エイジャック → ケツァルコアトル
  • ファストス → ヘーパイストス
  • スプライト → 妖精
  • キンゴ → キングー
  • マッカリ → マーキュリー
  • ドルイグ → ドルイド

全員が同じ神話のキャラクターではないのですが、それぞれ何かしらの神話をモチーフにしています。
そこにクロエ・ジャオ監督の自然光を活かした演出が相まって神話的な雰囲気が構成されていました。
一方、これまでのMCUのようなコメディ色が強い楽しいヒーロー映画とは違い、終始シリアスで静かな場面が続きます。
そのためMCUの中でも特に評価が分かれる作品だと思います。
私は元々静かで壮大な作品が好きなこともあってか、MCU作品全体を通しても結構好きでした!
これまでのMCU作品とは違う雰囲気でありながら今後のMCUがどうなっていくのか期待させる作品です。

ここから先は【エターナルズ】のネタバレを含みます。
 

ネタバレ感想

本作を一言で表すと「いや~、なるほど。これはまずいぞ」です。
というのも本作はおすすめポイントでも書きましたが、これまでのMCU作品と比べるとシリアスで静かな映画になっています。
本作を手掛けたクロエ・ジャオ監督の代表作【ノマド・ランド】にも共通するような自然を使った映像と静かで語りすぎない作風が本作にも感じ取れました。
シリアスで壮大なヒーロー映画は制作される価値のあるものだと思いますし、私自身【エターナルズ】はとても楽しめました。
では何がまずいのか。
それはMCUで制作してしまったことです。
というのもMCUと言えば大迫力のアクション、終始散りばめられたコメディ、個性的でユーモアのあるキャラクターが定番です。
どの作品にもこのような要素は登場していました。
もちろん本作にもこのような要素はありましたが、これまでのMCU作品に比べると極端に少ないです。
これは作品の世界観に浸りたい人はじっくりと浸かることができますが、作品を楽しみたい人は純粋に楽しめないのではないでしょうか?
同じヒーロー映画という枠にありながら、結構作風が違うのです。
音楽で例えるならこれまでポップな曲をリリースしてきたMCUが突然クラシックをリリースしてきたような感じです。
クラシックに馴染みがある人なら楽しめますが、これまでのポップな曲を求めていた人からは期待外れだと言われてしまいかねません。
それが私が本作に感じたものです。
私はこのシリアスで物静かな作品は気に入りましたが、同時にこれまでのMCU作品になかったような作風だったのでこれは万人受けしないなと感じました。
そのため、受けない層が一定数生まれることは分かっていたので「これはまずいぞ」と感じました。
そもそも【エターナルズ】は馴染みのないキャラクターが同時に10人も登場し、彼らの目的もはっきりしているため、最初の段階でハマらないと約3時間が退屈になってしまいます。
そういった理由からもこれまでのMCU作品と結構違う雰囲気の作品にしてしまったのはミスだと思います。
つまりハマる人とそうでない人がはっきり分かれる作品と言えます。

自由意志とポリコレ

スプライト

©Marvel Studios 2023

本作でも特に驚いた点が『エターナルズはアンドロイドだ』ということです。
これまで何千年も地球の発展を陰から見てきた彼らですがその真の目的は地球から新たなセレスティアルズを産むことだったのです。
セレスティアルズを産むためにはエネルギーが沢山必要で、人類の発展はそのためだったということです。
ここで面白いのが彼らが自分の意思を持っていることなんです。
というのも彼らがアリシェム(赤いセレスティアルズ)の真の目的を知った時に取った行動がバラバラでした。
イカリスは本来の自分の使命を遂行することを選択し、セルシやマッカリはティアマットの誕生を阻止し、キンゴは戦いから離れることを選択しました。
つまりエターナルズには自由意志があるのです。
彼らはティアマットを育てる道具ではなく、ある意味1人の人間として生きてきたと言えます。
最後の戦い以外でも彼らの自由意志が垣間見える場面はいくつか登場します。

例えばドルイグです。
ドルイグは人間を操ることができる能力を持っていますが、エターナルズの『戦いに干渉していいのはディヴィアンツ関係のみ』という制約の中で苦しんできました。
自分には争いを止める力があるのに見ていることしかできないと。
自分なら解決できるのにそれを許されないという苦しさというのは計り知れません。
似た考えを持っていたのが【シビル・ウォー】のキャプテン・アメリカです。
シビル・ウォーではこれまでアベンジャーズが起こしてきた様々な被害から、ソコヴィア協定というヒーローの活動を国連が管理するというものが用意されました。
これに対してキャプテンは、自分で考える方が大事だという考えを示します。
キャプテンとドルイグの考えは本質的には同じだと思っており、どちらも自分の力に責任を持っているんです。
だからこそキャプテンは縛られることを拒み、ドルイグは人間を統治して争いを失くすことを考えたのでしょう。

他にもファストスは自分の意思があったからこそ、技術を戦争に利用する人間に失望し、人間から離れたり、夫と子供と過ごすことで新たな人間を深く知るという選択をしました。
一部ではファストスの同性婚はポリコレだという意見があります。
そもそもポリコレという曖昧な意見を作品の評価にするというのは考えることを放棄していると思います。
ポリコレという単語の裏にはもっと説明が考えられるのにそれを放棄して同性愛や特定の人種、性別などが作品で扱われているとそれをひとまとめにポリコレという単語でまとめてしまうのは何も考えていないことと同義だと思います。
シー・ハルク】の感想でも触れましたが、ポリコレで駄作と言われる作品にはその理由があります。
それをLGBTQや人種、性別という表面的なイメージで決めてしまうのはおかしいです。
少し説教臭くなってしまいましたが、これを読んでいて、もし作品をポリコレという視点だけで判断している人はその作品になぜそれを感じたのか?それが作品の評価につながっているのか?ということを一度考えてみてほしいです。
話を戻すと、ファストスがポリコレと言われる理由は彼が同性婚をしているということが理由です。
不必要な同性愛描写はいらないという意見です。
そもそも同性愛描写に嫌悪感を示す人がいるのは分かります。
私は集合体恐怖症なのですが、作中に集合体の描写があれば良い気持ちはしませんし、場合によっては目をそらすこともあるかもしれません。
問題は不必要な同性愛描写だという意見です。
不必要な同性愛描写と言われているものは、言い換えれば同性愛である必要が無いものです。
しかしそれは同時に異性愛である必要もなく、つまりどちらでも良いわけです。
そもそもファストスはエターナルズで唯一家庭を持っています。
そしてここで描きたいのは家族なんです。そこに異性愛も同性愛も関係ないんです。
実際、このシーンは異性愛に置き換えても自然でした。
前述の通りエターナルズは自由意志を持っていることが作中で頻繁に語られます。
つまりファストスにとって結婚は選択肢の1つであり、恋愛対象も選択肢の1つだっただけです。
結果的にファストスが同性愛を選択しただけのことです。

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そして自分の選択で大きく運命を変えたのがスプライトです。
彼女は子供の姿のエターナルズとして設計されました。
エターナルズが歳をとらないという特性上、スプライトは永遠に子供のままです。
なので彼女はエターナルズで1人だけ大人の恋愛をすることができないし、それが7000年も続きます。
子供でありながら年月を重ねるごとに心は成長しているわけですから、ある意味子供の体に閉じ込められた大人と言えます。
実際、イカリスに恋心を抱いており、最後の戦いではイカリスについていくことに決めました。
そんなスプライトは最終的にユニ・マインドの力で人間になります。
私たちからすると不死の体を捨てて人間になるほうが良いというのは考えにくいですが、7000年間子供でいたスプライトにとって歳をとるというのは何よりも望んでいたことなのでしょう。
セルシはスプライトの考えを尊重して人間にしました。

このようにエターナルズはアンドロイドでありながら、それぞれが自由意志を持った存在なんです。
セレスティアルズの干渉を受けないアンドロイドだからこそ純粋に人類の発展を手伝えたわけです。
そして干渉できないからこそアリシェムはエターナルズの記憶を見て判断を下さなきゃいけないわけです。
ある意味セレスティアルズが与えた自由意志により裏切られた形になったわけですね。

 

変更されたキャラクター

エイジャック

©Marvel Studios 2023

本作では数人のエターナルズの人種や性別が変更されています。
マッカリとエイジャックはコミックでは男性ですし、キンゴとギルガメッシュは人種が変更されています。
実際、過去にも映画とコミックで変更を加えられたことはあります。
例えば【ドクター・ストレンジ】のエンシェント・ワンはコミックでは男性です。
これは理由もなく変更されたというには少し疑問が生じます。
というのも、そもそもMCU1作目の【アイアンマン】の制作は玩具の売り上げで決められました。
他にも【アイアンマン3】のヴィランのエルドリッチ・キリアンは玩具の売り上げを心配したマーベルにより、当初女性の予定だったところを男性に変更させられました。
そういった過去があるため、今回の変更も何かしらの理由があると思われます。
例えば【アベンジャーズ】ではメインヒーロー6人のうち、5人が白人男性です。
この過去を払拭しようと、キャラクターに変更を加えたことも考えられます。
ここは人それぞれ意見の分かれるところです。
例えば原作ファンの場合、映画でキャラクターを変更されると良い気持ちがしない人もいるでしょう。
実際、私も【ブラック・ウィドウ】でタスクマスターが女性に変更されていた時は落ち込みました。
これは私が男性のタスクマスターに馴染みがあったからです。
一方でエンシェント・ワンの性別変更には特に違和感はありませんでした。
これは私がコミックのエンシェント・ワンに馴染みがないからです。
そして【エターナルズ】のメンバーが変更されたことに対しても違和感はありませんでした。
これも、コミックのメンバーになじみがないからです。

他にも今ではMCUファンならだれもが知る『ニック・フューリー』も元々白人でした。
1998年に公開された【Nick Fury: Agent of S.H.I.E.L.D.】ではデヴィッド・ハッセルホフがフューリーを演じています。
2000年代にコミックでアルティメット・ユニバースを構築した際、新たなニック・フューリーのモチーフにサミュエル・L・ジャクソンを採用しました。
この採用は将来、映画でサミュエルを採用するためだったと言われています。
そして映画ファンの知る現在のニック・フューリーが誕生したのでした。
しかしこの変更はオリジナルの白人ニック・フューリーに馴染みのある人にとっては肯定できないものでしょう。
一方で映画ファンには黒人のニック・フューリーの方が浸透しています。

このことから、映画ファンは必ずしも原作ファンではないということが考えられます。
だからこそマーベルは映画で積極的にキャラクターを変更しているのかもしれません。
なので今後もこのような動きはあると思います。
これまで玩具の売り上げを重視してきたマーベルからしてみれば売り上げを上昇させるための方向に変更することもできて、過去の白人だらけのアベンジャーズを塗り替えることが映画でできるなら積極的にしてくるでしょう。

タスクマスターの変更に落ち込んだ私ですが、映画でキャラクターに変更があるのは肯定派です。
というのもキャラクターを決めるのは人種や性別ではないと思うからです。
私はキャラクターの性格や考え方などがそのキャラクターを決めるわけであって、外見的特徴がそれを決定するわけではないと思います。
あくまでこれは原作に馴染みのない私の意見ですので、原作ファンからすればやめてほしいことかもしれません。

 

マッカリの聴覚

マッカリ

©Marvel Studios 2023

マッカリは超高速で動くことができるキャラクターです。マーベルではクイックシルバー、DCではフラッシュなどが馴染みがあります。
そんなマッカリは耳が聞こえません。
演じているローレン・リドルフも聴覚障害があります。彼女が出演していた【ウォーキング・デッド】でも同じく耳が聞こえないキャラクターを演じていました。
撮影ではローレンの夫が共演者に手話を教えていたという話もあります。
ですがマッカリの耳が聞こえない設定は少し違和感があります。
これに関する考察としては、高速で移動するからソニックブームの影響を受けないように耳が聞こえなくなっているというような意見もありますが、私は微妙に納得できません。
これは他の高速で移動できるキャラクターが耳に影響がないこと、そしてマッカリ自身がアンドロイドであることが理由です。
そもそも人間であれば納得できます。
しかし精密に設計されたアンドロイドである以上、これは違和感があります。
初期不良ということにもできますが、さすがに聴覚障害を初期不良とするのは反感を買うでしょうし、慎重なディズニーはそんなことはしないでしょう。
例えばキンゴやファストス、ギルガメッシュは多様な人種がいる地球で幅広く適応できるようにセレスティアルズが用意したと考えられますし、スプライトは子供だからこそ利用できると考えたのでしょう。
これはセレスティアルズが他の惑星にもエターナルズを送っていたことから、試行錯誤が繰り返されたことの結果でしょう。
しかしマッカリの聴覚は納得のいく説明がありません。
例えば超高速で動くマッカリの特性上、耳が聞こえなくなっているという考えもできますが、それでは目から高火力のビームを出すイカリスの目が無事なことを考えると違和感があります。
では、マッカリの能力が限界突破したと考えるのはどうでしょうか?
イカリスはビームを出す際に目の周りも光ります。
もしイカリスが限界を超えると目の周りが焦げるかもしれません。
マッカリは自分の能力が限界を超えたことで聴覚に影響が出たのでしょうか?
実際、イカリスが目からビームを出しても目が無事なように、マッカリも能力のベースである足には影響が出ていません。
しかしこれも疑問が生まれます。
それがエターナルズの任務は地球が初めてではないからです。
正確には記憶を抜き取られているため、どこかで整備のタイミングがあるはずです。
この記憶が正常に消されなかったことでセナはマアドウィアリーが起きました。
この整備のタイミングでマッカリの聴覚が検知されなかったのでしょうか?
いくつかの可能性が考えられますが、どれも穴があり、しっくりくるものがありません。
せめて作中で説明があればよかったです。

イカリスの選択とセルシ

イカリスとセルシ

©Marvel Studios 2023

イカリスはアリシェムの目的を知った後も人類を犠牲にしてティアマットを誕生させることを選びました。
これは人類からしてみれば大悪行に思えますが、エターナルズの本来の目的でもあります。
エターナルズが人類の繁栄を手伝う目的のために人間として接触してたから同種に対しての感情から対立が起きたわけです。
そもそも人類はティアマットにしてみれば成長するための栄養なわけで私たちが食べている食事と変わらないと思います。
ヴィ-ガンのような生物への思いから菜食主義になる人もいれば、反対に動物食品を食べる人もいるわけです。
人類皆ヴィ-ガンじゃない限り選択の対立が起こるわけです。
本作で言えば、地球の全ての生物のために動物を餌とするティアマットを産まないセルシ派と、本来の目的のために生物を犠牲にするイカリス派ということだと言えます。
これは人間として接触してきたから人間側にバイアスがかかっていました。
人間からしてみれば滅亡を防いでくれてありがとうですが、宇宙全体で考えた時にセレスティアルズが誕生しないのはむしろ危険です。
セレスティアルズがいたから太陽ができて、銀河ができて他の多くの種族の発展につながってきたわけです。
しかし、結局人間からしてみたら自分たちが犠牲になるのは嫌ですし、人間側のエターナルズもその認識でした。
ここはとても難しいですよね。他の大勢のために犠牲になるか、それとも自分は助かって未来の可能性を失くすのか。
作中でセレスティアルズの卵は何個も植えられていると言っていたことから、地球が阻止されても別の惑星は滅亡するということも考えられます。

 

キンゴの選択

キンゴ

©Marvel Studios 2023

最後の戦いでキンゴは唯一参加しないことを選択しました。
キンゴは作中からイカリスを信頼し、それは憧れのようでもありました。
実際キンゴは映画の撮影でもイカリスのスーツを模した衣装を着ていましたね。
そんなキンゴにとってイカリスの裏切りはこれまで自分が信じてきたものを否定された感覚に近いと思います。
しかし彼はイカリスにあこがれを抱き信頼していたので、すぐに敵対関係になることは出来ませんでした。
しかしこれまで親密にしてきた人間を見捨てることもできないです。
そんな板挟みの状態でキンゴがとった選択が戦いに参加しないということでした。
かつての仲間と戦うか、それとも人類を滅ぼすかの状況では、参加しないという選択も十分理解できます。
戦いに参加しなかったキンゴは最後にアリシェムに呼ばれることはありませんでした。

自然とスーツ

エターナルズ

©Marvel Studios 2023

私が興味深かったのがエターナルズのスーツです。
これまでMCU作品と言えば星条旗を模したものや金属でできたもの、クモの巣をイメージしたものなど比較的ユーモアがあり目立つものが多かったです。
しかしエターナルズのスーツは色こそ様々ですが、どれも発色が少なく落ち着いた色合いになっています。
このスーツが自然を多用するジャオ監督の映像と相まってとても神秘的に見えました。
金や銀のラインが入ったスーツなのですが、自然と溶け込んで絵画のようでした。
宇宙のような深い色合いが作品に落ち着きを与えていたように感じます。

イカリスのラスト

太陽に進むイカリス

©Marvel Studios 2023

イカリスはティアマットの誕生を阻止した後、太陽に向かっていきます。
これはギリシャ神話のイカロスが太陽に近づきすぎて羽が溶けて墜落したという話のオマージュでしょう。
ファストスもイカリスとの戦いの最中に、イカリスの飛行能力のことを羽と表現していました。
そもそも一体なぜイカリスは太陽に突っ込んでいったのでしょうか?
考えられるのが任務の失敗です。
イカリスは人類を犠牲にしてセレスティアルズを誕生させようとしていましたが、他のメンバーに阻止されました。
イカリスはセレスティアルズに忠誠を誓っており、任務の失敗の責任を感じたイカリスは自ら命を絶つことで責任を負おうと考えたのかもしれません。
ではイカリスは生きているのか?
その答えは分かりませんが、イカリスが太陽に突っ込む場面では体に損傷が無いように見えます。
仮にイカリスが機能停止してもセレスティアルズが回収することも考えられます。
そもそもセレスティアルズは太陽を作り出すわけですから、近づくことも容易だと思います。
そして作中ではエターナルズの記憶は保管されていると説明されているため、イカリスの記憶も保管されて新しい体になる可能性も考えられます。
そうなると続編でイカリスが再登場するという展開も考えられますね。
私はイカリスが好きなので再登場してほしいです。

 

まとめ

【エターナルズ】は本当の正しさとは何なのかを考えさせられる作品でした。
MCU作品に珍しくシリアスでコメディ要素の少ない本作はファンからすると評価の別れやすい作品だと思います。
しかし考えさせられる内容や、エターナルズという新たな存在が今後のMCUに与える影響を考えると今からワクワクします。
ということで今回は【エターナルズ】のネタバレ感想をお届けしました!
最後までご覧いただきありがとうございました!