今回は、Netflixで5月14日に配信開始した大人向け短編映像作品集のラブデスロボットシーズン2の第1話である自動カスタマーサービスのレビューをしたいと思います!
他の徹底解説レビューも上げているので、是非こちらからご覧ください!
自動カスタマーサービスのレビューをする前に
自動カスタマーサービスの監督について
ラブデスロボットのシーズン2の1話は、掃除機や宅配など多くのものがロボットによって自動化された街を舞台にした短編アニメーション自動カスタマーサービス(原題:Automated Customer Service)です。
この作品を監督したのは、Meat Dept(ミートデプト)です。
実はこのMeat Deptは一人の名前ではありません。
Meat Deptはケビン・ヴァン・ダー・メイレン、デヴィッド・ニコラス、ローラン・ニコラスの3人組のグループです。
彼らは、BLACK HOLES(ブラックホール)という作品で2017年にサンダンス映画祭にノミネートされたこれからを期待されるグループです。
YouTubeにBLACK HOLESがありましたので是非ご覧ください!
BLACK HOLESをご覧にいただけるとわかる通り、独特なキャラクターデザインが印象的です。
この印象的なキャラクターデザインは、今回の自動カスタマーサービスでも確認できます。
さて、自動カスタマーサービスの概要が把握できたところでまずはネタバレなしのレビューをしたいと思います!
既に自動カスタマーサービスをご覧になった方もご覧になっていただけると幸いです!
ネタバレなしレビュー
独特なキャラクターデザイン
私が自動カスタマーサービスを観て最初に抱いた感想は、やはり独特なキャラクターデザインです。
はじめは自動化により動くことがほとんどなくなった人間の未来の姿を表現したものかとも思いましたが、Meat DeptのよるBLACK HOLESを観ると、このキャラクターデザインが得意なのかもしれません。
既に存在するもの
実は、この作品に登場した便利な物の多くが既に実用化され始めているのです。
例えばドローンでの配達はAmazonが既にアメリカでドローンを使用した宅配サービスの認可を受けています。
さらに、この作品にはVRやお掃除ロボットなどたくさんの便利な物が出てきます。
この作品の題名は自動カスタマーサービスです。
あなたも一度、自動化されたカスタマーサービスを受けたことがあるかもしれません。
もし、あなたがスマホを使用していたら留守番電話を聞く際に使用することになります。
「留守番電話を聞く場合は”1″を、消去する場合は”7″を押してください…」
みたいなやつです(笑)。
もし既に使用したことがある方ならわかるかと思いますが、待っている時間が長い!
自分の求める選択肢を待つために、1、2、3…と待ち続けやっと求める選択肢が出てきたときには7つ目まできていた。なんてこともあるかもしれません。
そんな、カスタマーサービスが引き起こす近い未来に訪れるかもしれない物語をぜひご覧ください!
ネタバレありレビュー
さあ、ネタバレありでレビューをしていこうと思います。
実はここまで書くのに既に1時間半が経過しています…(笑)
もっとタイピングのスピードを上げないといけませんね。
さて、早速ネタバレありでレビューをしていきましょう!!
まず疑問に思った点として、終始一貫して若いキャラクターが出てこないのです。
唯一、カスタマーサービスの男性の声だけが若い感じがしていました。
これには何か意図があるのでしょうか?
例えば、物語の舞台であるサンセット・シティは年配の方を集めた実験都市だったり、もしくは将来ロボットが世界を支配する為にAIによって気づかない間に子孫を残さないように誘導されているかもしれません。
そうなると、自動カスタマーサービスの声をあえて若い男性の声にすることで年配の方に若者も存在すると刷り込ませているのかもしれません。
それにしても、ネタバレなしレビューでも述べた通り、多くのものがロボットに変わっているのですがVRでテニスをしているシーンはなぜVR空間ではなくわざわざ下半身だけのロボットを制作したのだろうと思っていたら、これまでに述べた説やラストのシーンから、ロボットによる攻撃をしやすくする為だったのかもしれませんね。
それでは先へ進んでいきましょう。
主人公のおばあさんが使用している近未来ルンバのようなお掃除ロボットが【清掃モード:掃除掛け】で掃除をしています。
このシーンも終盤の戦闘を知っていると何故わざわざ【清掃モード:掃除掛け】にしているのか納得できますね。
ところで、このお婆さんは「ジャネット」という名前のようです。
このジャネットを担当している声優のNancy Linariaさんは、2018年のゲーム「スパイダーマン」や、現在放送中のアニメ「スパイダーマン」でスパイダーマンの叔母さんの【メイ叔母さん】を演じています。
ここで写真立ての配置を巡り、お掃除ロボットとの争いが始まるのですが何故お掃除ロボットは反抗してまで写真立ての配置を譲らなかったのでしょうか。
ここで考えられるのは、物語の中盤でジャネットが侵入者だと判断されてしまうシーンが関係しているのかもしれません。
その際、カスタマーサービスは、
「お掃除ロボットが清掃した場所は全てお掃除ロボットの縄張りとなります。」
と発言しています。つまり、お掃除ロボットが頑なに写真立ての位置を譲らなかったのは、自身の縄張りを荒らされたくないと判断したからかもしれません。
そうなると、この時点で既にお掃除ロボットは家を支配する準備を始めていたのかもしれません。
その後、愛犬にケガをさせたお掃除ロボットをどうにかしようとジャネットはカスタマーサービスに電話を掛けますが、担当者に変わるまでに6時間14分かかると言われてしまいました。
ここで、日本語では
「オペレーターとの会話をご希望ですね。」
と言っているのですが、英語では
「You’ve asked to speak to a human representative.」
と言っています。
意味としては、「人間の担当者をご希望ですね。」といった感じです。
わざわざここでHuman(人間)を付けるあたり怪しいですよね。
本当に人間の担当者はいるのでしょうか。
その後、ジャネットはカスタマーサービスの提案通りに再起動を行おうとしますが【黄金期システム】が【除去モード】の起動を通知してしまいました。
ここで登場した【黄金期システム】とは何なのでしょうか。
黄金期とはギリシャ神話にルーツがあり、黄金時代とも呼ばれます。
内容としては、かつて人間は神々と共存しており、争いは無く、あらゆるものが自動的に生成されるので労働の必要もない時代のことだと言われています。
この話は、今回の自動カスタマーサービスと関係がありそうな予感がしますね。
しかし起動したのは【除去モード】でした。
水槽の金魚が爆発したのを見てジャネットは逃げ始めました。
そしてカスタマーサービスは生き延びる方法としてペットを投げてお掃除ロボットの注意をそらすことを提案します。
当然ジャネットは拒否しますが、カスタマーサービスはしつこく提案を続けます。
最後まで提案を拒否し続けたジャネットですが、お掃除ロボットを止めようとした行為が「攻撃」だと判断されて、遂にお掃除ロボットに家を奪われてしまいました。
絶体絶命のその時、
「横にどきなさい、お嬢さん方」
という声と共に隣人の男性が銃を構えて立っていました。
この男性は「ビル」という名前です。
このビルの声優を務めたJerome Denjeanさんはラブデスロボットのシーズン1の第一話「ソニーの切り札」でVFXスーパーバイザーを務めました。
VFXスーパーバイザーとは、VFX(視覚効果)アーティストという、CGのキャラクターや爆発といった現実にないものをソフトを使い作成する人々を監督する立場です。
「ソニーの切り札」はフルCGで作成されているので、とても重要な立場の人物だと考えられます。
さらに現在は、ラブデスロボットの製作総指揮を務めるティム・ミラー監督が設立したCG制作会社【ブラースタジオ】で働いています。
その縁もあり、今回の出演が決まったのだと推測できます。
さて、ビルに話を戻しましょう。
正直なところ、このビルの壮大な登場をみて直感で「あ、やられるな」と思ってしまいました。
これは、もしかしたら製作段階で意図していたのでしょう。
さて、壮大な登場で場を沸かせスローモーションをふんだんに使い投げキッスまで披露したビルがスタンガンによってあっさり倒されてしまった後、ジャネットはビルの銃を手に取り無事お掃除ロボットを倒すことに成功しました。
この場面、製作総指揮として参加しているティム・ミラー監督はターミネーター・ニューフェイトを監督しているのですが、結局は原始的な武器が近未来のものに勝つというこの展開は、ターミネーターを思い出させました。
しかし、迷惑なお掃除ロボットを「掃除」した結果、DNAが存在する限り世界中のロボットに追い回される事になってしまいました。
そして、これからの展開は私たち視聴者の想像にお任せします。といった終わり方でした。
おわりに
今回はラブデスロボットのシーズン2の記念すべき第1話を飾った自動カスタマーサービスをレビューしました。
いかがだったでしょうか?
ラブデスロボットのシーズン2は全8話で構成されているオムニバス形式です。
他の徹底解説レビューをご覧になりたい方はこちらからご覧ください!
最後までご覧いただきありがとうございました!